大国魂神社-くらやみ祭り- 祭り好きの隠れ家 用語辞典 あ行


 
ここでは主に府中でのみ通用(筆者の周りだけ?)する用語用法と、多摩の方言について解説してあります。また、地名等に関してはその地域の歴史等についても解説をしています。
 
あ行 か行 さ行 た行 な行
は行 ま行 や行 ら行 わ行

赤丸(あかまる) 
赤く塗られた手丸提灯で、総代以上の者がもつ。
朝っぱやし(あさっぱやし) 
祭礼の早朝に行う山車の巡行。
浅野太鼓(あさのたいこ) 
石川県にある太鼓屋さん。府中市でも大国魂神社の二之宮の太鼓を皮切りに、御先払、五六之宮、三之宮、さらに各部落の大太鼓を手がけた。また、府中市外でも新しい大太鼓はほとんどがここ浅野製。
これらの大太鼓は、ほぼ例外なく外材(ブビンガ)を使い、太鼓の大きさもさることながら、、台車もかなり規格化がされているようで何処の太鼓も台車が高め。従って、軒並み打点が高くなっている。
あんぽんたん 
「馬鹿」の意。
なんとなく「あんぱんまん」に似てるが関係はない。
市川(いちかわ) 
市川用水のこと。本宿方面から、鎌倉街道に添って流れる用水。大国魂神社が背にする崖下、競馬場北側へと流れてゆく。現在は暗渠化されている。
元は多摩川が流れていた跡を用水化したものという。
一膳(いちぜん) 
1)太鼓ばちの数え方。お箸と同じく「一膳」「二膳」で数える。
2)府中での正式な太鼓の叩き方があり、その1サイクルを「一膳」(いちぜん)と呼ぶ。

一膳は七・五・三のサイクルである。その順は「空打ち三発(利き手)、利き手、利き手、利き手、返し、利き手、返し、利き手(7)利き手、利き手、利き手、返し、利き手(5)利き手、返し、利き手(3)」
聞くところによると、一説にはこの一膳を3度繰り返してひとつの形となるのだとも言う。3度繰り返すと都合45度叩くことになる。
最初の空打ちは、叩き手が交代したとき、利き手で軽く3回叩いて交代を周りに知らせる。従って、2膳目以降は入れない。次に前記の順で7回、5回、3回の順で叩く。このサイクルが一膳となる。返しとは利き手の反対側で叩くことを指す。また、警固(上乗りがオーライと言いながら、警固提灯をおろす)が途中ではいるため(入れる場所は決まっている)音で聞くと下のようになる。

「ドン・ドン・ドン」(空打ち)「オーライ・ドン・オーライ・ドン・オーライ・ドン・ドン・ドン・ドン・ドン。 オーライ・ドン・オーライ・ドン・オーライ・ドン・ドン・ドン。 オーライ・ドン・ドン・ドン」となる。

一之宮(いちのみや) 
1)一之宮神輿。明治期に作られており、現役の神輿の中ではもっとも古い。番場を元講とする五カ町が分担。この中で主に神戸と片町が担当。
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2)武蔵総社一之宮。多摩市に鎮座する小野神社。大国魂神社より武蔵総社一之宮と認められた神社である。延喜式内論社であるが、菊池山栽説その他で、府中市鎮座の小野神社(通称:小野宮)の方を式内社とする説もある。だとすると総社の一之宮も、自然と小野宮になるが、現在ではこの意見は否定されているらしい。例祭はいずれも9月。
3)多摩市の小野神社のある一帯の地名。
4)小野神社の氏子。(一之宮講中として例大祭に参加を指す)
一之宮道中神輿(いちのみやどうちゅうみこし) 
昭和35年まで多摩市小野神社より神輿がきていた。
飾り一之宮の項を参照。
印伝(いんでん) 
鹿革に漆で模様をつける、独特の技法。古くは鎧などの装飾に使われ、いまは合切袋や財布、パスケースなどに使用される。使われる柄は勝虫(とんぼ)、小桜、波、ひょうたん等の伝統的なものが多い。
お祭りでは、合切袋や雪駄の鼻緒等に使われている。
うざったい 
いらいらして気分が悪い。といったときに使う。
烏帽子(えぼし) 
元服した男子の用いた袋状の冠物。奈良時代の圭冠(はしはこうぶり)から変化したといわれ、平安時代結髪の習慣の一般化とともに広く庶民 の間にも用いられた。公家は平服時に絹や紗で製し黒漆を塗ったものを、庶民は麻布製のやわらかいものを用いた。のち紙製で漆で塗り固めたものとなり、近世 まで公家・武士の間で用いられた。立烏帽子・折烏帽子・侍烏帽子・萎(なえ)烏帽子などがある。えぼうし。

と、難しく書いてはあるが、祭りで使用するのは、各宮号(一之宮であれば「一」、御本社は「本」、御霊宮は「御」等)の入った黒い帽子。ただし、 色が白い物もあり、これは中雀門内に入れる人だけが着用できる。役によっては、黄色や青色の烏帽子もあり、それぞれ役についていることを示している。

えら 
「とっても」「非常に」「たくさん」の意。「えらく〜」というのが、短く詰まったものと考えられる。
お魚の呼吸器官とは異なる。

用例:「あいつんとこは、金をえら持ってんで。」(あの人の家は、お金をとっても持っているよ)

オイサ(おいさ) 
類義語:ホイサ
おいで 
大国魂神社神輿渡御の事。5月5日深夜に行われていた。現在は治安上の問題もあり、午後6時発御。
おいでとおかえりは、古くは上記の通り深夜に発御で御旅所までゆき、すぐに神事を行い、そのまますぐにおかえりとなる一連の行事であった。
皆が一年で一番待ちこがれている時間でもある。
大国魂神社(おおくにたまじんじゃ) 
武蔵国の総社とされる古社。なおかつ府中の氏神様である。ここでいう府中とは府中の宿場であり、本町・番場・新宿を指す。これに六所神領(八幡宿・京所)を合わせて府中四ヶ町といい、これが祭礼の中心となっている氏子地域(※)である。
例大祭には他の地域からもたくさんの奉仕者が集まるが、これ以外の区域にはそれぞれに氏神様が存在する。
大国魂神社は古くは六所宮、六社明神、とも呼ばれる。府中市鎮座。大国魂大神=大国主命を祀る。
※厳密には、六所神領の八幡宿村には、国府八幡神社が鎮座しており、正確には、この八幡神社が氏神様である。
大警固(おおけいご) 
警固提灯の中でも、大きなサイズの物を指す。「警固」(けいご)の欄を参照。
おかえり 
大国魂神社神輿還御のこと。5月6日午前4時から行われる。神輿は御旅所を出たあと、各分担町内を回って、お宮に帰る。
前日の余韻とともに、何となく寂しさが漂うのは筆者の胸の内だけであろうか?
おかめ(おかめ) 
お多福ともよばれる、頬のふっくらとした女性の面。
女性の面だからといって女性が舞うのではなく、これを男が舞って女性より「らしく」見せるのが芸であるという。
お仮屋(おかりや) 
暗闇祭りで、神輿が一晩泊まる宿。府中街道と旧甲州街道の交差点にある。

同義語:御旅所 

小河神社(小河神社) 
あきる野市鎮座。二之宮の神社。例祭は9月9日。しょうが祭りと称する。
詳細はこちら
六所巡り 一之宮から三之宮編
小川新田(おがわしんでん) 
東京都小平市。御本社太鼓講中がある。鎮守として熊野宮を祭る。
御先払(おさきばらい)・お先の太鼓(おさきのたいこ) 
御先払太鼓。神輿渡御全体の先導を勤める役太鼓。御先払講中が管理している。
現在の御先払の太鼓は皮面直径2mを誇る。非常に大きい太鼓である。
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押立(おしたて) 
東京都府中市。押立神社・本村神社を祀る。どんど焼きで有名。
押立神社の祭神はいわゆるお稲荷さんで、本村神社はスサノオノミコト。
例祭はそれぞれ9月と7月に行われている。
おしめり 
日照り続きで乾燥してるときに、潤いをもたらすような雨を指す。

用例:「こんくれぇなら、おしめりに丁度いいやぁ。」(このくらいの雨なら、乾燥も防げていいです。

御旅所(おたびしょ) 
暗闇祭りで、神輿が一晩泊まる宿。府中街道と旧甲州街道の交差点にある。

同義語:お仮屋

小田分・小田分村(おだぶん・おだぶんむら) 
府中市東部に位置する小柳町の一部。小柳の地名は小田分と柳原の頭の字を組み合わせた。
鎮守として石井神社を祀る。

おっかく 
「欠く」「割る」の意。

用例:「茶碗を、おっかいちまっただよ。」(茶碗を欠いてしまったんです)等。

おっくう 
「面倒」「かったるい」「ものぐさ」の意

用例:この年になんと、外へ出るだけでもおっくうでなぁ。」(これくらい年をとると、外に出るのも面倒です。)

おっこぼす 
「こぼす」の意。こぼすの上に「お」をつけた、まことに丁寧な多摩の言葉。
おったたく 
「叩く」の意。叩くの上に「お」をつけた上品な多摩の言葉。
おったつ 
「立つ」の意。「おったてる」だと「立てる」の意となる。多摩の人は上品かつ丁寧なので、思わず「お」をつけてしまいます。

用例:「おめぇ、後ろの髪がおったってんぞぅ。」(君、後ろの髪が立ってますよ)

おっつく 
「追いつく」の意。

用例:「早く行けよぉ!後ろがおっついちまうよぅ!!」(早く行ってください。後ろが追いついてしまいます。)等。

おっぱがす 
「剥がす」の意。多摩の人の会話が和やかなのは、みんなが丁寧な言葉だからです。だって、「お」をつけた丁寧語が主流なんだもの。

用例:「これから、障子紙ぃを、おっぱがすだ。」(これから障子紙を剥がします)

おっぱねる 
「はねる」の意。
おっぽる 
「放り投げる」の意
おっぺす 
「押す」の意。

用例:「もうちっと、おっぺしてくれ!」(もう少し押してください)「ボタンをおっぺさねぇと、ひらかなかんべぇ?」(ボタンを押さないと、開かないんじゃないか?)等。

おっぷしょる・おっぺしょる 
「折る」の意。たぶん知らない人が聞いたら、なんのことかと思うだろう。

用例:「庭の木を、おっぷしょっちゃったよぅ」(庭の木を折ってしまった)「おめぇが、竿をおっぷっしょったんだろう!!」(あなたが竿を、折ったのではないですか?)

小野神社(おのじんじゃ) 
1)武蔵総社において一之宮とされる神社。東京都多摩市鎮座。例祭は9月。
詳細はこちら
六所巡り 一之宮から三之宮編
2)東京都府中市鎮座の小野神社。ただし、こちらは小野宮と呼ばれることが多い。
小野宮(おののみや) 
1)府中住吉町付近の旧地名。新編武蔵風土記には本宿村の小名として小野宮があがる。
一説によると、本宿村は元は小野宮周辺に集落をなし、多摩川の氾濫によって流され、ハケ上に移ったという。現在は四之宮講中。
2)小野神社 延喜式内論社 東京都府中市鎮座。小野宮の部落鎮守。
帯(おび) 
和服等を着る際に、着物がはだけないように腰のあたりに巻く布。
お祭りの時は平ぐけ、角帯等を使用することが多く、場合によっては帯の代わりにさらしを使う者もいる。帯の材質は綿や絹が一般的である。
ちなみに、帯といえばお殿がと腰元の帯を引っ張って着物を脱がす「大奥のムフフ状態」を思い出す向きもあろうが、これをする場合、ただ引っ張ると帯が締まるだけだという。
「うい奴じゃ!ちこう!もそっとちこう!」
「あれ、殿、なにをなさいます・・・・・・あ〜れ〜〜〜〜」
とやっても、回される側に回る気がないとクルクルはしない。
・・・・ということなので、初心者は注意が必要である。
なお、筆者にクルクルされてもいいという妙齢の女性はメールにてご連絡を。
お宮(おみや) 
府中で「お宮」(おみや)といえば大国魂神社のことである。

用例:「お宮に行かなくちゃいけない」(大国魂神社に行く用事があります)等

同義語:神社

オーライ(おーらい) 
太鼓の上に乗る警固役が、叩き手が叩く、あいだあいだに警固提灯を皮面に下ろす。これによって太鼓の中心を教える。その際に掛ける掛け声。「おんらい」(おんらい:御来、御礼(?))または「ホーライ」(ほーらい:蓬莱(?)鳳来(?)宝来(?)この辺りが語源だろうか?)というのが本来だという説もある。語源は定かではないが、車がバックするときの掛け声のオーライとは違う。あの「オーライ」は元は英語あり「All right」から来ているものだからだ。
って言いますが、諸説紛々、本当はどうなんでしょう?
オリャ(おりゃ) 
類義語:ソリャ

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