大国魂神社-くらやみ祭り- 祭り好きの隠れ家 用語辞典 さ行


 
ここでは主に府中でのみ通用(筆者の周りだけ?)する用語用法と、多摩の方言について解説してあります。また、地名等に関してはその地域の歴史等についても解説をしています。
 
あ行 か行 さ行 た行 な行
は行 ま行 や行 ら行 わ行

酒(さけ) 
主に、米や麦などの穀類を原料に造られる、アルコールを含んだ飲料の総称。アルコールは飲用することで脳を麻痺させ、その機能を一時的に低下させる効果があり、また飲用した人間には高揚感を覚えさせるなど、いわゆる「酔っ払い」の状態を作り出す。多量に飲むと、寝る、暴れる、踊る、嘔吐する、気を失う、金を失う、記憶を失う、操を失う、面目を失う等といった症状を招き、とても危険。
人は、疲れた時、めでたい時、がんばった時、終わった時、始まる時、困った時、困らせた時、めでたくない時、やけを起こした時、失恋した時、うれしい時、悲しい時、単に飲みたい時など、さまざまな理由をつけてこれを飲用する。とくに、お祭りでは切っても切れぬ存在とされ、昼間から大手を振って飲むことができる。
祭りでは麦を原料にしたビールや、主に穀類や芋等を原料にした焼酎、米を原料にして造られるいわゆる日本酒が好んで飲まれる。
特に日本酒は神に捧げる酒「御神酒」としても使われる。それだけに、ビールや焼酎に比べて特に強力な神通力があり、美味な反面、アルコール度のわりに危険が大きいもので、「酔っ払い」への近道である。
この日本酒は、一部で「合法ドラッグ Japan」とも呼ばれており、「ジャパンあるよ」または「次はジャパンいく?」という魔の一言で毎度のように知れきった往生を遂げる人もいるとかいないとか。
ささら 
お祭りの際、神輿渡御の道を清める道具。青竹を切り、先を割ってある。神路清浄は新宿の役目。
昔は、各神輿にも金棒や高張りと共に、一対がついたが、喧嘩の道具になるため禁止された。
昔はささらの調子をとるために、府中小唄を唄ったという。
刺子・刺子半纏 
刺子とは柔道着のような布。この布を使って作った半纏を刺子半纏といい、昔は火消しが使った。
火事の時、水をかぶると水をよく含むため燃えにくい。
今、お祭りで見かけるものは多くが、美しい絵の描かれたものが多い。この絵に惹かれ、各地に愛好家がいる。
特に絵入りのものを絵刺子という。
さらし 
晒し木綿のこと。包丁一本♪さらしに巻いて〜♪という歌もあるが、男は喧嘩の時に腹に巻き、女は妊娠中に腹に巻くなど、ここ一番という大事な場面では人間にも巻きつけられる。
祭りでもちょくちょくと登場し、神輿の飾り綱等に巻かれたりするし、何よりも大事な役目として、ご神体を神輿の中に固定するのもさらしを使う。
この、御神体を固定するために使用したさらしは6日に町内に下げ渡される。
この晒しは妊娠中の女性が腹に巻く腹帯に使うとよいとされ、珍重される。
三之宮 
1)三之宮神輿 昭和9年に製作された。大国魂神社の神輿の中で一番重い。京所の分担。
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六所巡り 一之宮から三之宮編
2)武蔵総社三之宮。さいたま市に鎮座する氷川神社。
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六所巡り 一之宮から三之宮編
潮盛講・汐盛講(しおもりこう) 
品川潮盛講のこと。4月30日に品川海上にて海水を汲み上げ、大祭中の清めの水に使用する。
なぜ品川か・・・というと面白い話もあるがここでは触れないことにする。
四ヵ町(しかちょう) 
府中の中心となっていた町。府中三宿と呼ばれた本町、番場、新宿の一町二宿に元の六所神領(京所と八幡宿)を合わせた地域。ただし、一部、小名として上がる地域は除かれる。
この地域が本来(あるいは狭義での)の大国魂神社の氏地でもある。この地域の住民は大国魂神社例大祭に参加する他の地域とは違って、他に氏神とする神社を持たない。(八幡宿には国府八幡宮があるので正式にはこちらが氏神となるが、これは大国魂神社の境外摂社でもある)
つまり、四ヵ町住民にとって、くらやみ祭りとは自分たちの鎮守様のお祭りである。
現在は府中市の各地域が参加し、市全体のお祭りのような感もあるが、狭義で捉えた場合、大国魂神社の例大祭はこの地域にすむ氏子のお祭りであり、明治以来、実際その運営は四ヵ町の住民が中心となっているのはその為である。
獅子(しし)・獅子頭 (ししがしら) 
1)ライオンさんのこと。
2)ライオンを基に想像された獣。彫刻などのモチーフとなる。また、獅子を模した頭、獅子頭をかぶり、囃子にあわせて舞う。いわゆる獅子舞。
獅子田(ししだ) 
篠笛の銘。獅子田流篠笛といい、名は獅子田太郎に由来し、この流れを汲む何人かの作者が獅子田の銘を使っている。
篠笛 (しのぶえ) 
囃子で使われる木管楽器。篠竹(女竹)で作られることから篠笛という。
原理的にはフルートなどと同じ。
囃子で使われるものは古典調や囃子用といわれるもので、西洋のドレミ音階とはなっていないため、ポップス等の演奏はできない。
音程は笛の長さで決まり、その音の高さにより1本調子(低音・長い)から13本調子(高音・短い)までがあり、府中囃子では通常3本調子〜5本調子が使われている。
篠笛の作者は、獅子田(ししだ:獅子田流篠笛といい、獅子田太郎の流れを汲む複数の笛師が名乗る)が最も普及しており、このほか、朗童(ろうどう)、蘭情(らんじょう)、丸山(まるやま:獅子田系 京都の俣野眞龍・他)、鳳声(ほうせい)等が見られる。
芝間(しばま) 
もとは、本町の小名。芝間。府中市南町近辺の部落。部落鎮守として稲荷神社をまつる。
清水下(しみずした) 
番場の南側のハケ下を指す。本町との境で現在は南武線の北。元は崖から清水がこんこんと湧いており、名の由来となった。南武線は雨が降るとすぐに水浸しとなったという。
沸いた水は、市川に注いでいた。
下石原(しもいしわら) 
調布市。布田五宿(国領、下布田、上布田、下石原、上石原)の1つ。鎮守に八幡神社を祭る。
古くからの獅子舞が残っており、ここの祭礼では宮神輿が無く、太鼓が中心である
これは、獅子舞の獅子に神が降りるから神輿はないのだという。
なお、上石原もそうだが、「いしはら」ではなく「いしわら」が正解とのこと。
下河原(しもがわら)・下河原線(しもがわらせん) 
1)府中市中河原の少し下流。下河原という部落があった。現在の南町。
部落の鎮守は八幡神社。
元々は多摩連光寺村の飛び地。南多摩に属していたが、府中が市制へ以降の後、翌年に編入されたという。
2)昔は国鉄下河原線という路線があり、主に多摩川の砂利を採取して輸送していた
現在は線路あとを緑道化。
下染屋(しもそめや) 
東京都府中市。染屋村が別れ、上染屋村と下染屋村となった。鎮守として神明神社をまつる。
しょうがんねぇ 
「仕方ない」「しょうがない」の意。

用例:「こんなにしちゃっちゃぁ、しょうがんねぇやなぁ。」(こんなにしてしまっては、仕方ないですね。)

調(しらべ) 
囃子で使う締太鼓のこと。
新撰組事件(しんせんぐみじけん) 
昭和9年の大国魂神社例大祭でおきた事件。新撰組は、今の機動隊に相当する警察の部隊で、手には六尺棒を持っていたという。
この部隊と大祭関係者の間で起きた騒動が新撰組事件と呼ばれる。
資料によると、警備のために配置された新撰組が、おいでの最中に神輿の担ぎ手を暴徒と見做して、これを六尺棒で打ち、鎮圧しようとする事態が起きた。
担ぎ手たちは何ら特殊な行動をとったわけではなく、いつもどおり神輿を担いだわけであるが、警備に回されてきた外部の人間である新撰組隊員が荒々しい担ぎぶりを勘違いしたもの発端と推察される。
新撰組は、担ぎ手たちを手にした六尺棒で打ち、これに反発した地元衆が新撰組に対して反撃。投石をするなど石合戦の様相を見せた。
この騒乱で、前代未聞の隋神門が閉門される事態となったという。
結局、新撰組隊長が自分たちの理解に不足があったということで、隊員から六尺棒を取り上げ、騒動は鎮静化したという。
この騒動、古い話であるが新住民と旧住民間の意識のずれや、祭礼等の伝統に対する外部者の理解不足が原因で起こる軋轢など、今も内在した問題であるといえよう。
旧住民・関係者による新住民・外部者への啓蒙の姿勢と、新旧あるいは内外の交流が重要であると切に思う。
神幸門(しんこうもん) 
本殿前のお白州へ入るための門。
昔は中雀門ではなく、おいでの際はこの神幸門が閉じられていた。
神社(じんじゃ) 
府中で、「神社」(じんじゃ)といえば、大国魂神社です。

用例:「神社に行って来る。」(大国魂神社に行って来ます。)

同義語:お宮

新宿(しんしゅく)・新宿町(しんしゅくちょう) 
府中四ヶ町のひとつ。大国魂神社大鳥居から東側の旧甲州街道沿いの町。もっとも新しい宿場と言うことでこの名が付いた。古くは釆女宿とも呼ばれていたようだ。
新宿は五六之宮の分担である。また、筆者は新宿というとすぐに「道清め」を思い出す。
新宿山谷(しんしゅくさんや) 
新宿の北、現在の新町や天神町のあたり。
元々は人もあまり住まない原野だったようだ。
新成区(しんせいく) 
現在の六之宮の世話町。古くは新宿に含まれるが元々はあまり人が住んでいなかった。
神路清浄(しんろせいじょう) 
道清めとも言われる。おいでの前に、神様の進む道を清める行事。
ささらをもった人が交互に地面を叩きながら進む。新宿が担当している。
随神門(ずいじんもん) 
大国魂神社の大鳥居をくぐり、参道を拝殿方向に行くと、最初にある門。
杉山神社(すぎやまじんじゃ) 
六之宮の神社。延喜式内論社。横浜市西八朔鎮座。横浜周辺には同名の神社が多数存在する。例祭は10月1日。
詳細はこちら
六所巡り 六之宮編
鈴木新田(すずきしんでん) 
小平市。御本社太鼓講中がある。
雪駄(せった) 
男物の履物。竹の皮で編んだ表(籐で編んだ表や、蛇などの皮を使ったものもある)に、革製の底をつけたもの。かかとに金具を打ってあるため、この金具が「チャリチャリ」と鳴る。
竹の皮で編むため、竹皮の模様があるが、これが無いものの方が高価。さらに表は真っ白なものより飴色で艶のあるものが良いとされ、また、編んだ目の細かい(詰んだ)ものが良いとされる。
正装では鼻緒は白がきまり。普段用の鼻緒は、別珍や印伝、ニシキヘビの革などが使われるものもある。
先駆警固(せんくけいご) 
おいでの際の行列の一番先頭となる警固。各宮1人で白丁を着た正装でなければならない。
総社(そうしゃ) 
1)大国魂神社のこと。大国魂神社は「武蔵総社」とされている。
総代(そうだい) 
各町内などの団体の責任者。偉い人。暗闇祭りに置いては総代格は赤塗りの手丸提灯(赤丸)を持つ。
ソリャ(そりゃ) 
神輿を担ぐときの掛け声。「そりゃ・そりゃ・そりゃ」。ホイサと組み合わせて使う。神輿を揉むとき言うことが多い。

用例:「おらぁっ!!揉め!揉め!揉め!!!それっ!ソリャ!ソリャ!ソリャ!オリャ!ソリャ!」(みなさん、御神輿を揉みましょう。良いですか?揉んでください。よいしょ、よいしょ、よいしょ)

類義語:オイサ、オリャ、ホイサ

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